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OSS-DB Silver/Gold Ver 3.0 に挑戦してみた

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年頭所感以外でブログを書くのはいつ以来か。。。
少し前の話ですが、久々に資格試験に挑戦してきたので、そのメモを開陳。

特にSilverに関しては、ネット上に似たような体験記が溢れているんですけどね。

OSS-DB Silver/Gold Ver 3.0って何?

OSS-DB」と呼んでいるものの実体は「PostgreSQL」のことです。MySQLその他OSSなDBは色々ありますが、ここではあくまでPostgreSQLのことです。

LinuC(旧LPIC)で有名なLPI-Japanが運営している、PostgreSQLについての技術者認定試験です。

現状、Silver、Goldの二段階です。OracleのようなBronzeやPlatinumはありません。
 
一応、結構古くから提供していて、PostgreSQLのバージョンがいくつか上がるところで試験も更新されていて、現在は3つ目になっています。

挑戦のきっかけ

PostgreSQLの資格試験が存在しているが、どれくらい実務に役立ちそうか、受験を他の人に推奨するレベルのものなのか、自ら受験して確認しようと思ったため。

出題範囲

主な範囲はPostgreSQL Version 12~14。ただし、それ以前の知識も必要となる問題がありえます。(仕様が変わったポイントとか、いつからあるプロダクトなのか?とか)
試験概要

Silver、Goldで問われる知識は、割と細かく開示されています。
Gold受験にSilver合格は必須ではないのですが、Goldの「認定」にはSilver合格が必須となっています。

Silver対策

業務では触る機会がほとんどないコマンドやツールのオプションやパラメータの問題も多いので、実務経験豊富でも無勉強だと躓きます。

PostgreSQLの歴史など、実務上はわりとどうでもいい問題も。これは他のベンダー試験なんかでも一緒か。

また、正規化理論(第1~第3+ボイスコッド正規形)の細かい内容も問われます。出題数はそれほど多くないですが、ちゃんと答えられるようにしようとすると、これが結構ハマりどころです。

この「Silver」に関しては、Web上にも「合格体験記」が多くあり、一般的には「ping-t」さえやっておけば合格は余裕と言われています。

「受けてみよう」と思い立ってから、書籍 2周>Udemy 2周で8割強、ping-t 1周して問題なさそうだったので数日後試験で申し込み、試験日までに忘れないようにudemyもう1周とpint-gを消化。

ping-tは1か月プランを契約したが、実際にやったのは最後の1週間くらいです。
 
トータルの「対策勉強」期間としては1か月くらいかな。
 

書籍

OSS教科書 OSS-DB Silver Ver.3.0対応 翔泳社
OSS教科書 OSS-DB Silver Ver.3.0対応


解説、演習、全体試験、という、OracleMaster用の黒本と同じ形式です。

本の最後にある全体試験は本番と異なり「いくつ選べ」ではなく「すべて選べ」であり、より高い理解度が求められるます。

なお、正規化関連の解説が怪しい感じがしました。

とにかく問題をこなしたい人には、この本自体は不要かと思います。間違った部分の解説は、次のアシスト社作成のものでも十分ですし。これ1冊だけだと心もとない。


業務でほとんど触ったことがない、体系的に見ておきたい人向けですね。


Eラーニング

OSS-DB Silver Ver3.0 試験対策問題集【LPI-Japan認定教材】
OSS-DB Silver Ver3.0 試験対策問題集【LPI-Japan認定教材】 | Udemy

書籍版「OSS-DB Silver 試験対策問題集 Ver3.0対応
OSS-DB Silver 試験対策問題集 Ver3.0対応
のEラーニング問題集です。
※書籍版は内容を見たことがないが、Udemy版と問題数。


問題、解説とも十分な内容です。

カテゴリ別、全体テストと用意されているが、いわゆる体系的な「テキスト(教科書)」ではないです。


Udemy版はサブスクリプションではなく教材単体での購入となります。定価は4200円。
Udemy自体、高頻度で割引セールを行っているため、セールのタイミングを見つけて購入するのがオススメ。たしか、この教材については、OSS-DBの試験対策セミナー内で告知されたキャンペーンでの割引だった気がします。


ping-t OSS-DB Silver 最強WEB問題集
Ping-t

500問超の問題が用意されており、出題パターンも制御できます。

ひたすら問題をこなすタイプだが、回答解説も充実していました。

サブスクリプションタイプで、これ以外のping-t全体の有料問題集(LPIC Lv1~3など)を含めて月額2420円で利用可能。今回は他の試験対策は一切見てないので、そちらの量・質については不明です。

長期契約すると単月単価は安くなりますが、1か月集中してやれば十分なはず。

※Goldでも紹介する「IT資格攻略会」もLPI認定教材としてSilver対策版も用意されているが、Silver版は使っていないので内容・品質不明。


Gold対策

かなり細かい知識を要求されます。

正規化の問題はなくなりますが、コマンド周りはSilverの問題と重複するところもあります。

問題集だけでは対応できない。公式マニュアルの読み込みが欠かせない。「重箱の隅」もあれば、かなり実用的な問題もあります。

Explainの結果を読み解くこと、そこから適切な対策を選ぶ、といった、実用的なSQLチューニングの問題も多いです。

パラメータチューニングによるサーバー全体のチューニングの問題もあります。

PostgreSQL本体だけでなく、contrib系の拡張機能の一部も出題されます。postgres_fdwやpgstattupleなど。対象はちゃんとOSS-DBの公式サイトに明示されているので、そこをチェック。

Silverは50問で60%が合格ラインだったのですが、Goldは30問で70%という合格ラインとなり、1問1問の配点が大きいため、小さいミスや知識不足の影響が大きくなりますし、「この領域はよくわからないから、出てきたら捨て」という問題を作るのはリスクが高いです。


Silver合格してから、UdemyのGold対応版に着手しました。

アシスト社の教材をメインに利用し、1周目は45~60%の正答率、というところからスタートでした。不明点キーワードを列挙してマニュアル読み込み、2周目で8割くらいの正答率に。


IT資格攻略会の1か月プランも契約。これはUdemyでの問題数不足感を補うためです。

1周目で7割くらいの正答率。出題傾向と問題文の質がUdemyとだいぶ違いました。

後で書く通り、クセがあってツライ部分もあるが、知識のヌケモレを補うきっかけになったので、契約してよかったとは思います。

試験申し込み前の1週間、申し込みから受験までの1週間で、2周くらい回し、8割以上の正答率に。

UdemyとIT資格攻略会の両方を8割正答できるようになった段階で、申し込み。

受験日まで1週間ほど間ができたので、忘れないように、それぞれもう1周。
 
全体の対策勉強期間としては1か月強でしょうか。


あと、OSS-DB公式サイトにある問題も、一通り覚えておきました。あの問題が出るかといったら違うんですけど、なかなかいい問題が揃ってます。

書籍

使ってないです。

おそらく、OSS-DB Gold対策を謳った書籍は、アシストの本(Udemy版あり)しか存在していないと思われます。

対策としてではなく、実務ニーズからの学習用として「[改訂3版]内部構造から学ぶPostgreSQL―設計・運用計画の鉄則 Software Design plus」を持っていたので、時々参照はしました。

あとはひたすら、公式ドキュメントを読む、という感じです。公式ドキュメントには書いていないような問題もあって、結構大変でしたが。

Eラーニング

OSS-DB Gold Ver3.0 試験対策問題集【LPI-Japan認定教材】
OSS-DB Gold Ver3.0 試験対策問題集【LPI-Japan認定教材】 | Udemy

書籍版「OSS-DB Gold 試験対策問題集 Ver3.0対応
OSS-DB Gold 試験対策問題集 Ver3.0対応
のEラーニング問題集です。

内容構成、品質ともにSilverと同様です。
問題、解説とも十分な内容ですが、問題数・バリエーションとしてはもう少し量が欲しいところですね。他に選択肢がないだけに。

こちらもUdemyは買い切り4200円。
これもSilver同様、セミナー内でのキャンペーンで割引されていた時に買っておいたものです。


IT資格攻略会 OSS-DB Gold試験 テキスト+問題集
OSS-DB Gold試験 テキスト+問題集 – IT資格攻略会

全270問=試験9回分の問題。
カテゴリ毎に、要点まとめ+確認問題という形式であり、Silver用の「OSS教科書 OSS-DB Silver Ver.3.0対応 翔泳社」に近い体裁でした。
  
  
各カテゴリのテストの仕様にクセがあります。

回答直後は「振り返り」ができるが、別のページに遷移した後に戻ると、また1からテストを受ける画面になります。
ping-tやUdemyのアシスト教材のような、過去の履歴、正解率推移などを見ることができません。
  
また、問題文、選択肢の文言、回答解説の作りが(ping-tのSilver対策問題集と比較して)見劣りがします。日本語が変だったり、問題数を水増しするためかと思われるどうしようもないレベルのひっかけ問題だったりもあったりしますね。

システムビューの列名と意味定義をマニュアル通り一字一句正確に覚えているかが問われるような問題が繰り返されるのもちょっと気になりました。

カテゴリ別確認問題の進捗も分かりません。

出典の分からない問題、間違っていそうな正答・解説があるのは、仕方ないか。。。(CREATE VIEWがストリーミングレプリケーションで伝播しない、とか)

「テキスト」の方の解説は、問題側に比べると少しまとも。が、その質にはムラがあり、実行結果まで記述した丁寧な解説もあれば、ただマニュアルの文章を転記しただけのものもある。
  
ping-tと同様、サブスクリプション型で、他の教材も利用可能(ping-tより少ない)。月額2980円。まあ、妥当でしょう。

長期契約すると単月単価は安くなるが、1か月集中してやれば十分なはず。

ping-tやUdemyに比べて、学習システムとしての作り自体も弱い。が、他に教材がないので仕方がない。サブスクじゃなくて売り切りでUdemyに乗っかってくれればいいのに。

※残念ながら、ping-tはOSS-DB Gold対応教材がない。

受験結果

AWS系試験とかで)いつも使っているテストセンターの慣れた雰囲気のなかで受験し、一応、どちらも一発合格です。

まあ、さすがに合格していなかったらこの記事を書いていないとは思いますが。

Silverは94点とハイスコアでしたが、Goldは76点と、かなりギリギリでした。
Goldは見直し終了、完了手続き時に、「純粋に分からない/自信がない」「日本語おかしくね?色々な意味にとれなくね?」というアヤシイやつの数が、そのまま減点分、って感じでした。

遠い昔に受験したOracle Master以来、久々に物理の認定証&カードが郵送されてきて、懐かしい気持ちになりました。

感想

Silverだけなら、別に「やらなくてもいい」というのが正直な感想です。

コマンドのオプションの知識などは、必要になったら調べれば十分ですし。というか、もう数年PostgreSQL絡みの仕事してるけど、一度も使ったことがないコマンドラインツールの細かいオプションとか、覚えたところで今後も使わないだろうな、という。どうせpsqlログインしてSQL発行すれば対応できるようなものばかりだし。


あえて強調するならバックアップ&リカバリ領域の知識は取り組んでも損はないですが、これもクラウド全盛の時代にそこまで必要とされてないのが正直なところ。。。

オンプレ対応するなら、この領域においてもGoldレベルの知識が欲しいですね。


Goldは、取り組む価値はあると感じました。

問題集だけでは足りないので、マニュアルを読まざるを得ず、それを通じて理解を深めることになる。というか、そうしないと、ここに投じる時間、労力、お金が勿体ないです。

実際に環境を使って手を動かさないと身に付きにくいものもあります。

チューニング領域など、程よい難易度で実務に活かせる問題が出て来るので、実際に受験しないにしても、社内教育の材料としても参考になります。(社内教育用の教材を作ってみようと思っても、なかなかどんなものを用意すればいいのか悩ましい領域なので)
 
OSS-DBという資格試験そのものに知名度がないので、対外的なアピールに使うのは難しいですが、話のネタにはなります。

逆に、一度その内容を知った側として、他の人から「OSS-DB Gold持ってます」と言われたら、それなりの範囲と深さの知識がある(一度は勉強した)ということを期待してしまいますね。

(「これやっておけば未経験でも合格する」みたいな王道の対策問題集が存在していない資格試験に取り組んだ、という点でも評価できる)

ただ、問題文や選択肢に使用されている日本語が微妙(複数の意味で取れるとか、情報として足りないとか)、実務に直結しない、マニュアル暗記しているかを問うような問題もあったりして、そこが満足度を若干下げる原因になってます。


有効期限が長いのが受験者に優しいので、しばらくは更新に追われることはなさそう。

AWS SAPどうしよう。。。


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