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複合機は総務じゃなくて情シスの守備範囲として - 中小事業所のオフィスインフラを考える

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「ザ・OA機器」とも言えるコピー機は、いまやコピーだけではなくレーザープリンター、FAX、スキャナー機能が付いた「複合機」として導入されることが一般的です。


エンジニアやプログラマでも、完全に1人の利用者として「すでにそこにあるもの」扱いになっていて、選定、調達する側に回ることは少ないでしょう。


売る側も、さほど高度が技術知識を求められるわけではないので、「営業職」で契約までほぼ完結してしまい、設置納品の段階まで、技術系の方と顔を合わせることはないことも多いです。


エンジニアとして複合機に関わるのは「製造元の製品開発エンジニア」と「販売店ないしメーカーの保守エンジニア」、という、限られた企業に属している人くらいです。


一方、調達する側は、コピー機の延長上にあるためか、「総務」が対応することも多いです。


しかし、すでに複合機はコピー機の枠を超えた「ネットワーク機器」ですので、システム/ネットワークがわかる「情シス」が絡んだほうがよいでしょう。


というわけで、今回のテーマは「複合機」です。

利用者が10人超えるなら、デジタルカラーレーザー複合機を1台置いておくことを検討しましょう。

デスクトップタイプのレーザープリンターの価格も相当下がってきてはいますが、やはり処理能力が段違いです。
よほど印刷しないで業務が回し切れるのならば、あえて用意しなくてもいいですけど、たまにしか印刷しないその印刷が遅いとかむしろストレスに感じることもありますしね。


価格感は、各社似たり寄ったり。それよりも代理店割引次第。

カタログ等でお値段確認すると、結構な金額です。
一般的な、縦長据え置きでA3まで対応したデジタルフルカラー複合機だと、例えば、何かと話題のローソン等のコンビニでよく見かけるSHARPさんのもので、サイトの方に、スペックと価格帯が掲載されていますが、定価で1,410,000円〜となっています。
http://www.sharp.co.jp/business/print/newmodel/


同じように、各社、大抵は定価が開示されてて、同じ位のスペックであれば同じくらいの金額になっています。


むしろ、代理店の販売力、メーカーとの力関係などで、割引額額が変わってきますので、しっかり相見積もりを取りましょう。


残念ながらワリとキツい営業マンがおおいこの代理店業界ですが、そこはめげずに。

処理能力と、機種選定について

XEROXCANONSHARPRICOH、etc...とありますが、どこの会社も型番の番号が「1分間に何枚出力できるか」に基づいていることが多いです。
某コンビニでよく見かけるSHARPさんの場合「MX-2610F」などという型番名ですが、これが「26枚/分」を意味しています。


あとは印刷とコピーの頻度次第で、適切な台数が決まります。


1ヶ月の出力枚数が、1分あたり出力速度*1000*3くらいに収まるレベルのスペックの機種&台数で提案する、と某社では言っていましたので、その辺を基準にしつつ、何社かあたって相談しながら好条件を引き出してください。

オプション機器について

パンチ、ステープラー、ソーターなどのオプションは、あると非常に便利ですが、結構お高いです。
小規模事業所であれば、なくてもなんとかなるでしょう。


外部に製本を発注するほどではないが、ある程度小奇麗な冊子を用意する機会が多い場合は、ステープラーは作業コスト等の面から元が取れるかもしれませんね。

ただ、そのレベルになると、こんどは大量印刷で他の利用者の印刷が止まるケースも出てきますので、複数台対応なども考慮しなくてはいけませんが、高価な買い物ですから、簡単に増設しましょうという話にはなりません。


頭を悩ますテーマです。



また、印刷物のクオリティ、とくにカラー印刷については、メーカーでそれなりに特色が出てきます。
ビジネス文書であれば対して気にしなくても良いですが、グラフィカルな資料作成が多く、その発色を気にされる場合は、メーカーや代理店に依頼して現物確認をさせてもらいましょう。


「紙」のところでも触れますが、とにかく、一番その手のことにうるさい人が現物を見ることです。

月々の支払い額について

大抵、代理店経由で購入することとなりますが、代理店による値引きに加えてリースで月々払いが組めれば、毎月のキャッシュアウトはそれほどでもありません。

具体的な値引き額がわかる数字を書くのはまずそうですが、本体代金は月々20,000〜30,000円程度で抑えるようなプランも組めるかと思います。



月々のコストには、リースによる本体代金の支払いの他に「カウンター料金」が存在します。
出力件数に対する単価を決めて、それを保守料金として扱う、このコピー機系の世界独特のものです。


保守料金の位置付けですので、定期メンテナンス、トラブル対応に応じていただく費用が含まれるのはもちろんですが、トナー代を含まないケースもたまにあるようです。



なお、出力枚数が多いほど、カウンター単価も下がります。
びっくりするぐらい、単価が違います。
そして、時代とともに、単価が下がります。


リースに契約は通常5年で、時々3年や7年の提案を受けることがあります。


資金繰りに余裕があるなら、新しいほど早く、そして買い替え時がカウンター単価の見直し時でもあるので、そのサイクルが短くなる3年を勧めますし、逆に毎月のキャッシュアウトを抑えたいなら7年もありだと思います。


とにかく費用を抑えたい場合

インクジェットですがEPSONのスマートチャージが検討に値するサービスになると思います。


そうでなければ、いっそ1台も置かず、徹底的にペーパーレスを進めましょう。
印刷はKinko'sやコンビニへ。近くにあればですけどね。金額面、時間面で、コスト意識がものすごく高まります。


半端にコストを抑えようとして家庭用を置いても、ビジネスユースで使い倒すとあっという間に壊れます。耐久性が低い部品で作られてますので、当然のことです。


地味に存在し続ける「Fax」

インターネットFaxを使ってもよいのですが、正直なところ、あまりコストパフォーマンス出ません。

ちゃんと試算すると、インターネットFaxって単価が意外と高額で通信コストはそんなに下がらないですし、その一方で複合機からFax機能を削ろうにも、最初からついている機種のほうが選択肢が多く、除外することで得られるメリットが小さいものです。


なので、ペーパーレスで複合機自体を置かないことを検討しているならインターネットFAXを契約すべきと思いますが*1複合機を導入するならばFAX機能を使わない選択肢は考慮しなくて良いです。

「紙」について

印刷クオリティが重要な事業をされている会社の場合は、機種そのものの印刷品質と、調達する紙についてはこだわってください。


できれば、そのクオリティにこだわる必要がある担当者を同席させて、購入予定の紙を持ち込んで印刷してもらうのがよいです。


多くの企業で、「ASKUL」オリジナルの紙を使ってませんか?あるいは「かうねっと」ですかね。
総務視点では大差ないと思っていても、見る人が見るとぜんぜん違うみたいです。



Mac対応度。Mac利用があるなら確認を。

社内にMac利用者が一定数いる場合は、ドライバのMac OS対応をちゃんとチェックしてください。


はっきり言って、複合機メーカー各社とも、Windows前提に動いていますので、Mac対応は弱いです。印刷するだけなら何とかなりますが、その他の機能を使おうとすると、いろいろと引っかかってきます。


そして、サポートを代理店のエンジニアがやるのか、メーカーのエンジニアがやるのか、そしてエンジニアのMacOSへの対応レベルがどの程度か、についても調べて、できるだけレベルの高いところとお付き合いしたいところですが、さすがにこれを選定するのは難しいです。


Macの件に限らず、代理店自身でサポートまでやる会社と、代理店は売るだけでサポートはメーカーがやるスキームのところと、いろいろあります。


使う側としてはどっちでもいいので、「困ったときに繋がって、ちゃんと解決してくれる」ところを探しましょう。担当者個人に依存してしまう部分がありますので難しいんですけど。


スキャン機能は、複数の手段があります

複合機には大抵ついているスキャン機能。PDFかTiffファイルを作れるケースが大半です。

で、その利用方法は3パターン。
(1)複合機に保存し、複合機のWebインターフェースにアクセスして、保存したファイルをダウンロードする
(2)複合機から端末にネットワーク経由で送り込む
(3)メールの添付ファイルの形で送る


MacWindowsだという話が関係ない1番目が、管理者的には一番楽です。
ただし、使った人がちゃんと消す作業をしないと、他人に覗かれるというセキュリティリスクが伴います。
複合機側でID運用すればその問題は回避できますが、大抵オプション費用がかかるので、中小企業でそこまでやる会社は少ないかと思います。


2番目は、「WindowsないしMac側に共有フォルダを設定し、そこにアクセスしてくる」のと、「専用ソフトをインストールさせ、そのソフトが開いているポート経由でアクセスしてくる」の2つに分かれます。

どちらも端末に余計なポートを開くという点でセキュリティ的にあまり勧めたくないのと、たいていMacで問題が起こる(そもそもメーカーがMacをサポートしてないこともある)ので、管理者の手間、対応パターンがが増えることに繋がるので、避けたい部類です。


3番目は、送信専用にメールアカウントを作成し、ID\PWを複合機に保存させ、さらにメールサーバーにちゃんと接続できるようにさえなっていれば、結構楽な運用です。


私個人の好みは3番目の「メールの添付ファイルとして送信」ですね。
初期設定さえ済んでしまえば手間はほとんどかかりませんし、複合機自体に個人認証機能を持っていなくても、スキャンデータのセキュリティが保てる点もよいです。


利用者としての私の目線からすると、実際に利用する側もメールボックスに履歴蓄積されるのが、個人的な管理の上でやりやすいです。
そして、外出先に出ている同僚から「あの資料スキャンして送って」っていう要件にも1アクションで対応できるというのも、利用シーンは少ないながらありがたい機能だと思います。


全体的な使用感、操作感は、各社癖はあるものの慣れれば大差なし。

というわけで、最後の最後まで触れなかった使用感の部分は、乗り換えると覚えるまで大変なものの、結局できることとしては大差がないので、慣れればOKです。


最近はタッチパネルが主流で、そのタッチに対する反応の良し悪しや、フリック操作に対応していたりいなかったり、という小さな差はありますが、調達選定における重要度で言ったら一番下の方の話題となるでしょう。

まとめ

  • 利用頻度から必要な処理能力を選定する
  • 代理店次第で割引が違うので、しっかり見積もりをとる
  • リース契約の内容、カウンター料金の内容をしっかり確認
  • MacOS利用者が多い場合は、ドライバやサポートの対応力、各機能に対する制限有無も評価する

*1:まだまだ世の中メールはNGでFAXなら受付可ということは多いです。


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