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大手のようには行かないPC調達 - 中小事業所のオフィスインフラを考える

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一括調達、サポートの均一化ができないところが、小規模事業の悩ましいところ。

大手企業だと、一括大量購入によって値下げ交渉もしやすくなりますし、同一機種であれば、セットアップもサポートも効率化されますが、しかし、中小事業所では、そうした規模のメリットを追うことはできません。


そんな事業所における実態と、すこしでもラクにする方法のヒントになれば、というお話です。


中小事業所におけるPC調達の実態

まず、小さな会社では、人の出入りがまばらです。


大手のように、新卒一括で一気に入ってくることも無ければ、中途入社であっても月初か15日にそろえてもらえればまだいい方で、これといって決まったルールがないことも多いです。


そして、かなり前から入社の情報がわかっていれば調達計画を立てやすいですが、小さい会社はその柔軟性ゆえに「明日から」とかも普通にあります。
PCを余らせている資金的余裕もなく、ぎりぎりでやり繰りしている会社の調達担当としては、これはかなり辛いです。*1


そんな状況ですから、その都度、要件に応じたスペックで安いものを探してくる、といったことになるでしょう。
実際私の場合、調達担当者として毎週毎月のように価格comとにらめっこして一番安いところを探す、といった業務をしていた時もあります。


スペックの話

正解はないですし、あっという間に技術進化していく中で、標準を定めるのも一筋縄ではありません。

以下は、私の現時点での基準で、使う人の業務内容によっておおよそこんな風に決めています。

  • 一般:CPU : Core i3 / メモリ:4GB
  • 経理:CPU : Core i5 / メモリ:4GB〜8GB
  • 技術者:CPU : Core i5〜i7 / メモリ:8GB〜
  • デザイン:CPU : Core i5〜i7 / メモリ:8GB〜 +必要であればグラフィックボード増設

WindowsでもMacでも、大体こんなかんじでざっくり決めています。


Celeron機をどう見るか、ですが、私はよほど予算を押さえつけられない限り回避しています。
Celeron機でも、調達したその時点では十分使えると思いますが、事業用PCの交換サイクルを3〜5年で見た時、3年目の終わりにはかなり厳しいスペックとなっている、との予想からです。


経理をあえてスペック強めにしているのは、重いExcelファイルの扱いが多いことを見越してです。Excelは計算式を多用すると処理待ちが発生しやすいのですが、チューニングの余地はないので、「物理で殴る」しかない、と考えています。

デスクトップか、ノートか

特に要望がない限り「ノート」にしています。


理由は2つ。

  • 会議等での持ち運び。
  • 在庫管理が容易。


利用者視点で、会議にノートPCをもっていけないというのは、相当生産性が悪いです。
私自身、「議事録はその場で入力しろ」な人ですし。


在庫管理においても、デスクトップは場所はとるし部材は多いし、面倒な代物です。


社外移動が多く、その都度PCを持ち歩く必要がある人には、13インチ以下でバッテリー重視。
社内事務中心であれば15.6インチクラス。
そんな基準です。


余裕があれば、作業効率向上のために、+20,000円程度で、24インチ程度の外付けLCDを別途提供です。



なお、中小事業所では、組織形態の変更の頻度も多く、席替えが必要になるケースも大企業に比べて多いです。そう言った際にも、有線LANの配線や十分な数の電源配線がなくても移動が可能なノートの方が融通がききます。



機種の話

「必要なタイミングで、必要なスペックで、安いもの」を重視すると、機種の統一は諦めなければなりません。


となると、社内サポートの面で、対応する相手ごとに機種が異なることになりますから、メーカーくらいは何社かに絞っておくとよいです。いざというときのエスカレーションに備えて、できれば電話やメールのサポートがしっかりしているメーカーを選んでおくとよいです。


大手でコールセンターを海外に移設しているところよりも、ショップ系の小さなメーカーの方が話が通じたりするので、一概にどこがいいとは言い切れない難しさはあります。



調達ルートの話

都度安いところを探して、となると、カカクコム見て、Amazon.co.jpやYodobashi.com、その他乱立するECサイトから、ということになると思います。


値段だけじゃなく、納期と決済手段も確認しましょう。


クレジットカード決済のところと、銀行振込のところでは、注文の仕方も違いますし、社内側での手続きも変わりますから、あまりバラけさせるとミスが起こりやすいです。


商社・販社を利用する

いい加減めんどくさくなってきたら、商社・販社を利用します。


私の場合は、ほんとに偶然に今の担当者からの営業電話に応じたところからのスタートなのですが、彼らは大手企業だけを相手にしているわけではないですし、PC1台の注文からにも応じてくれます。


有名ドコロだと、商社系だとダイワボウとか大塚商会とかソフトクリエイトとか?、あと複合機メーカーでリコーとかゼロックスなんかも、販社として色々なメーカーのPCその他もろもろの機材を扱っていますね。

ここにあげてない会社でもたくさんあると思います。


私が小規模事業者にいながら販社を利用する理由は以下の3つです。

  • 取扱機種の安定
  • 掛け取引が可能
  • それほど高くはない
取扱機種の安定

販社には大抵、「どこのメーカーに強い(安く仕入れている・安定して在庫がある」といった得意商材があります。これがあることで、一社で大量購入しなくとも、比較的安く、安定して、長期にわたって同じ機種を調達することが可能です。


いまお付き合いしているところは、取り扱い商材がたくさんある中から、毎月特価商材として安く出せる商材を選定して案内をもらっているので、その中から選ぶようにしています。
数百ある選択肢の中から選ぶよりラクです。
かといって、そこに掲載される商材はコロコロかわるわけでもないですので、同一機種の安定調達にもつながっています。

なお、特価商材となる機材は、最新モデルにはなりません。そこは割り切りです。

掛け取引が可能

月末締め翌月末払い、といった掛取引は、「入金は早く、支払いは遅く」という商売の基本に照らしても非常にメリットがあります。
1人の担当者の業務という視点から見ても、都度発注の際に経理とやりとりするよりも、月1回請求書が送られて来て経理に回すだけのほうが、圧倒的に楽です。

それほど高くはない

値段的には、商材とタイミングによりますが、カカクコム最安値とは行かなくても上位から中位くらいに食い込む価格で購入できます。





たまたま私は、私にとってやりやすい販社を見つけることができましたが、これは相性次第のところがあります。最新モデルに強い会社もありますし、安いけど納期が長めの会社もあります。

こんなかんじで、販社も特徴次第、使い方次第です。
相性のよい販社、担当者と出会えると、非常にやりやすいです。



調達したPCのセットアップやサポートについては、別の機会で。




まとめ

  • ニーズ別にすぐに対応できるような整理をしておく
  • 在庫管理の観点からも、ノートPCがラク。
  • 購入は、販売価格だけでなく、決済手段と社内業務についても考慮して。
  • 販社も使い方次第!いい販社さんを見つけ、いい取引をすると、見た目の価格以上のメリットも。

*1:別に責められるわけじゃないですけど


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