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転職エージェントの比較の軸

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この記事が妙に引っかかったので

dennou-kurage.hatenablog.com
概ね同意なんですが、なんかこうすんなり落ちないところがあり、一つ一つ見つけていくのもめんどくさいので、正面からぶつかることなくそのへん無視して持論展開することにします。


「2. 紹介される仕事は相場に基づいてほぼ機械的に決まってしまう」で書かれているようなケースは半ば事実であると同時に、求職者側から見ると1人1人に向かい合うことをおろそかにする××(自重)エージェントの代表格でしかないですが、その一方で、通る可能性すらマトモに判定できず何でもかんでも紹介してくるエージェントもいたりしますね。

転職エージェントを使うメリット

はっきりいって、求職者側から見た転職エージェントの価値は
「紹介案件の質・量と、書類が通るか」
と考えています。


面接より先に行ったら本人次第なので、面接や入社日の日程調整以外にほとんど頼るシーンはないです。
報酬条件交渉も、基本的にはどこに着地させるかだけですし、それも結局本人次第ですから。


なので、いかに案件を紹介してもらい、スムーズに書類通過して面接にたどり着けるか、という点を中心に据え、大手と中小の比較の話と、キャリアチェンジに関する話を中心に書きます。

大手と中小

大手:リクナビエージェント、インテリジェンスDODAといった統合型と呼ばれるところ

特にこの2社については、話の進め方から使っているシステムまでほぼ一緒。びっくりしました。


とにかく求人の情報、求職者の情報を細かいカタログスペックに落としこんで機械的にマッチングしようとします。
スキル登録の選択肢や入力情報が異常に多いのが特徴。


ITだと、経験技術で製品名レベル+経験年数をひたすら登録させられるので、色々経験している人は入力負荷が高い上に広く浅くしか経験していない印象のデータが出来上がります。


そして、システムで自動的にヒットした案件を担当キャリアアドバイザー名義でメール飛ばしてくる仕掛け。
その割に、レコメンドの質、絞り込み、といったところの品質は残念な感じが拭えません。
広めに案件紹介してもらえるように条件を設定して、その中から頑張って選び出す使い方にせざるを得ないのですが、とにかく母数となる案件数が多いところに甘めのフィルタで処理をするので、その後の絞り込み作業は結構大変です。


これぞと思う案件を見つけて応募依頼をするわけですが、今度はエージェント会社内でプールされて他の応募者と束にされて企業に送られているようなので、個性の売り込みとかは期待薄です。


なので、まずは「同じエージェント会社に登録している人同士の競争に勝ち抜けるという意味でカタログ的な比較に強い人」つまり「特定領域をひたすら伸ばしてきて、そのスキルをベースとした転職をしたい若手、転職回数少なめの人」には比較的効果的に機能します。


その逆で、色々な経験を積んできた人、転職回数が多めの人、には不利に働きます。


なお、企業から求人案件を取ってくる担当と、求職者の相手をする担当が分かれていることが多いです。

そのため、求人案件獲得営業力が強いので案件数が非常に多いのが強みだが、その一方で求職者からの細かい質問に対して、窓口となるキャリアアドバイザーの対応力が弱い事が多いのが弱点です。


中小:腐るほどあるので個別の名前は出しません

「IT業界、IT関連職種に強いです」は、「お前もか」って感じなので、取り上げる価値はないと思います。


リクナビやビズリーチに記入済のレジュメもロクに読まず求職者の志向性も理解せずに、ネームバリューだけの見当違いな仕事を紹介してきて、しかも非公開求人多数!とかいって、ヨソのエージェントと同じものを出してくるようなところがあります。


IT以外の路線だと、「経理、法務を中心とした管理部門特化」、「金融系特化」、「マネジメント層特化」「医療系職種専門」などがありますね。「IPO支援の一環として関連人材の募集を支援する」といった業態で求職者を募っているエージェントもあります。


特にハイクラス人材を扱うエージェントだと、通常の人材仲介だけでなく、ヘッドハント(登録すらしていない人を企業側のリクエストに基いての開拓)もやっていることもあります。



IT系以外の転職の場合は、とにかくその専門特化のエージェントの登録は必須です。
統合型に分類される大手にもIT系以外の求人は当然ありますが、なんだかんだで求人のボリュームゾーンはIT技術者なので、対応力弱めです。



中小の多くは、求人・求職を同じ人が受け持つ事が多いため、求職者との窓口に立つ人は紹介する案件の詳細についても詳しいし、求人企業側のキーマンに深く繋がりを持っている人もいるので、内部の様子も聞けるのが強みです。


その代わり、窓口になってくれた人「以外」が持っている求人案件が紹介されにくい傾向にあります。(社内の情報連携次第でもありますが)


一応、求職者情報は社内で共有されるので、それを見たその社の他のエージェントの目に留まるような、特徴ある経歴を持っている人に優位に働く傾向があると思います。


担当キャリアアドバイザーによる人力検索結果に基いて案件を紹介されるので、その人のセンスに依る部分があるのは否めません。


まったく同じ求職案件を見ても、それを紹介するか否かはキャリアアドバイザー次第。


そもそも求人案件は、「非公開」とか言いながら複数の転職エージェント会社に展開されていることが多いので、エージェント会社間で紹介案件がかぶることが非常に多いわけですが、そういう状況下で、A社とB社が同じ求人案件を持っていても、実際紹介してくるか否かは担当のキャリアアドバイザーのセンスによるところになります。


その辺は、システムで処理してちょっとでも条件に引っかかれば自動的に紹介送ってくる大手とは違ってきます。




また、経験上、中小のキャリアアドバイザーの方が、業務についての深い話ができることも多いです。他業種から移ってきた人も多い、という印象があるので、結果的に、実経験に基いて会話ができる相手に当たるケースが多かったのだと思います。(認知バイアス


これが大手で「新卒からキャリアアドバイザー」みたいな人にあたると、業務の細かい話はまるで会話にならないこともあります。


大手はそれでも仕事が回るようにシステマチックに処理をするように業務設計されてるっていう感じ。それはそれでありだし、そうしないとあのビジネスはスケールしないし。


求人企業からしても、属人性を排除したほうが都合が良いこともあるし。



なお、中小は持っている求人案件数が少ないので、数社と接点を持っておかないと検討する対象すら増えません。


一概にどちらがいいとはいえないです。
私みたいな人には中小が向いているので、割と中小に好意的に書いてますが。


業界や職種の転換について

そもそもキャリアチェンジは大変、という前提において、どっちかといえば中小が有利。


理由は上記の通り、大手だとシステマチックに処理すべくカタログスペック比較になるので、未経験分について表現する術を持ちあわせていません。

なので、求人要件に対応するスペックの弱い求職者情報を企業に流したところで「なんでこんな人のヤツ送ってきてるの?」と言われるのがオチ。


また大手だと担当領域で所属部門が違ったりするので、そもそも担当領域以外の他業界・他職種について知識がなくてもいいことになってるので、キャリアチェンジについて期待するほうが間違いです。



一方、中小だと、キャリアアドバイザー毎に得意領域こそあれ、わりと何でも対応している事が多いです。
そのキャリアアドバイザー個人に依存する部分も多いですが、企業側の担当者との繋がりが深いと、いろんな職種の求人について企業側から相談を受けていたりするので、得意領域外の話も出来るようになっていたりします。
なので、同じように求職者がキャリアチェンジを想定して複数領域について相談しても対応できる可能性は高まります。


そんな感じなので、「この人、ここまでの経歴はこんな感じなんだけど、こっちに路線を考えているらしく、一応部分的には関わったことはありそうですし、人としては割とフィットしそうなので、一度会ってみませんか」的な押し込みをしてくれることがあり、それが企業側の琴線にうまく触れれば面接の機会を得られるケースがあります。


「もともと出している求人票上には表現してないんだけど、たまたま課題意識を持っていた別領域について知見がありそうだから別枠/兼任でいけないか、一度会ってみようか」みたいな展開。


これは、キャリアアドバイザーと求人案件獲得営業が分業体制となっている大手ではほとんど期待できないケースです。



そこまできたら、あとは面接での勝負なので、畑違いだった過去の経歴から活かせそうなところを示しつつ、これから取り組みたい分野についてどこまで熱意をアピれるか。


機械的に処理する大手経由だと、書類応募すらさせてもらえないこともあるので、これはかなり大きな違いです。
私が中小推しな理由のポイントはここにありますね。


キャリアチェンジになる人や、いわゆる「履歴書が汚い」状態になってしまった人こそ、中小エージェントに相談し、なんとか押し込めそうな案件を見つけてもらい、アピールするポイントを一緒に整理して動く方が確率は上がるでしょう。


私自身、「流浪の人」とある通り、キャリアチェンジを含む転職を何度かやっていますが、中小のほうがやりやすかったです。


おまけ:フィーについて

一般的には元記事にある通りで、成功報酬で転職者が入社して数ヶ月後に年収のn%が手数料として収入になるビジネスですが、一方で「この期間でこの金額でこういった条件の人を探してきて欲しい」という契約を企業側と結んでいることもあります。



まとめ

  • 大小まぜて複数使うのが吉。
  • 領域が絞ってあるなら大手の案件数が強み、幅広くなら中小の柔軟性の方が強み。
  • キャリアチェンジは確かに難しいが、相談するなら、チェンジ先となる業種・職種の実績もある中小エージェントへ。


そんな感じで、事情により絶賛求職中です。しんどいです!


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