はじめに
100人以下で非IT系の企業だと、パソコンにちょっと強い人に押し付けてしまっていることも多いのが、「OA周りの整備」です。
「IT」とか「社内情報システム」という言葉より「OA」という言葉がまだまだ似合う、そんな領域だったりします。
1人1台PCがあり、当たり前のようにメールアドレスも付与されるような時代になる前、電話、FAX、コピー機といえば「総務」が管理してた分野で、その流れを引きずって総務の管轄としているところも結構多いですが、ネット技術と連携なしには語れないプロダクトに進化し、「総務はITがわからない」「IT屋は電話やコピー機のことがわからない」、総務と情報システム担当が連携とらずに話を進めたので、せっかくある便利な機能が使われてない、みたいなこともよく見かけます。
IT系の企業でも、フロントエンドのエンジニアが中心だと、どうしてもそうした足回りはおろそかになりがち。
ましてや、今の御時世だと、お客さんに出す部分も、社内業務で使う部分も、可能な限りクラウド利用で済ませるから、なおさらインフラ周りのノウハウは残らない。
でも、最低限のインフラがないと、そのクラウドのリソースにすらうまくアクセス出来ないので、やっぱり安定しつつコストのかからないインフラがほしい!
そんなわけで、ベストプラクティスとは言わないけれど、構成パターンとして、あれこれ悩むならこの程度用意しておけばとりあえずOK、なものについて触れてみることにしました。
想定・ターゲット
これから起業する人、立ち上げたもののまだまだ未整備な会社の人、小規模な事業所を増やす予定の人、見直しが必要な人に、参考になればと思います。
インターネット界隈を観察していると、中小ベンチャー=IT系スタートアップ、という錯覚に陥りがちですが、世の中そんなことはなくて、いろんな業種でいろんな人が事業をしているわけで、そういった層にアプローチする情報が極端に少ないなと感じています。
小規模店舗や立ち上げ直後の5人程度の事務所から、100人手前くらいまでを想定しています。
IT専任がいなくて「総務がついでにいんたーねっとも面倒見ろ」、とか、「きみパソコン詳しいんでしょ、じゃあ任せるわ」みたいな状況の方、逆に「メインとしては社内IT担当なんだけど、総務よりのところもやってほしい」といった期待値をもたれているケースでは特にお役に立てるのではないかと、そんな思いで書いています。
はっきり言って、教科書的なセオリーから外れることも書くことになります。
中小オフィスや、兼任情シスしかいない現場は、
「わかっちゃいるけど、そうも言ってられない。」
や
「そもそもよくわからないけど、最低限やらなきゃいけない」
が渦巻いていますので、その辺りについての1つの妥協点の提示になりますし、批判は受け止め、その観点を包含しつつ簡素に構築運用できるような新しい解を生み出せれば、と思います。
取り扱うテーマ
(順不同。今後追加削除あり。)
こんな感じで語っていきます。
しばらくの間は、「開発」の領域とは縁遠い話が中心になると思います。
トークポジション・スタンス
基本的なスタンスとしては、以下の様なポジションに立って語ることになります。
- 1人情シスや兼任担当であることを想定
- 勉強している暇がないので、基礎理論の学習に時間をかけずに、とりあえずなんとかする。
- いざ他人に頼むとき、伝えやすい、理解しやすいレベルの技術を採用するにとどめておく。最新技術に走ったり、トリッキーな構成を用いたり、独自開発でむやみに自動化したりしない。
- 外部業者を活用する
たとえば、いくら一人だけプログラム(VBA含む)を理解しててゴリゴリ作りこんでも、いざ他人に頼らざるを得なくなったときに、それをフォローする同僚が同じレベルでVBAがわかるか、といったら、上のような想定の環境では、相当厳しいでしょう。
そして、多少プログラミングの知識があったとしても、仕様書もまともに用意できないでしょうから、さらに引き継ぎやトラブルシュートのハードルがあがりますので、それを避けるようにするのが狙いです。
書籍としては、こういうのとかもあるので、必ずしもこれから書くことと内容、考え方が一致しているわけではありませんが、合わせて読んでいただくといいと思います。
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元SEで一応の情報技術についての知識がある私が、受託時代に回った企業の事務所の様子を参考にしたり、自分自身が小さな会社の一人情シスとして仕事をしてきて、書籍では得にくく、情報が少なくて困った部分を中心に書いていこうと思います。