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回線手配とファシリティ、わりとめんどくさい - 中小事業所のオフィスインフラを考える

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抜けていた!

ネット回線をどう選ぶかを書いていたら、「手配・設置系のノウハウがまるっと抜けていた」ということに気づきました。
ソフトの方ばかりに頭が行っていると、こういう物理的な話が抜け落ちがちです。


未経験だとまず考慮から漏れますし、考慮しようにも何をどうしたらよいか事前に計画のしようがなくて手探りになりがち。


「何を使うか決めたまではいいけど、どう手配するの?どこに引き込むの?機材どこにおくの?」と畳み掛けるように質問されてアタフタしますね。


この話は、電話をどうするか、まで固めたところで確認するポイントとなります。

機器設置場所

中小事業所で悩ましいのは、回線の引き込み先と、ネットワーク機器の設置場所の確保です。


空調と施錠の行き届いたサーバールームなど、夢のまた夢だと思います。
なので、オープンスペースの片隅や、物置状の場所になるかと思います。


なかなか難しいですが、幅1,000mm*奥行1,000mm*高さ1,000~2,000mmくらいの空間を見つけてキープしたいところです。


インターネット回線の引き込みで必要となる機器はONUルーターで、デスクトップPC本体1台分程度の空間があれば十分ですが、おそらくその付近に16~24ポートハブを数台、NASや最低限のサーバーを置くことになります。


PCデスクや、ワイヤーラックなどで、空間効率よく、そして時折発生する作業のしやすい環境を作りましょう。


特に、「裏側へのアクセス」がしやすい配置が重要です。


なので、「隅っこ壁べったり」ではなく、壁から少し距離をとりたいですね。


新規に物件を借りての場合、内装工事も行うでしょうから、そこで内装工事業者に要件として「ネットワーク・サーバー設置場所と、配線レイアウト」をお願いしておいてください。
配線そのものを発注しなかったとしても、フロアレイアウトの段階でスペースを確保するにあたって、おおよその配線計画について相談に乗ってもらえるはずです。




手配について

インターネット回線をオフィスに敷設するにあたっては、手配の仕方はおおまかに2パターンあります。


手配師としての仕事を、自分でどこまでやるか、という話です。

  • 自力で手配する場合:ビル管理会社、NTT、プロバイダ、場合によっては工事業者も追加。
  • 業者に任せる場合:業者のみ


ビル管理会社との調整もNTTとの調整も、ぜんぶやってくれる業者*1に任せるのが安心です。
もちろんその分お金もかかりますが。


新規にオフィスを借りる場合、内装工事業者がこうしたことに対応してくれることも多いです。
業者が変わりに調整を進めてくれ、その上で、利用者自身で決定しなければいけないことについて問い合わせがくるので、それに対応する形で進められます。


また、内装業者の他に、「電話回線と一緒にビジネスフォンを設置したい。できれば、フレッツ光ひかり電話もセットで」という話しであれば、電話工事業者でも動いてくれることもあるみたいです。


自力の場合のノウハウも書いておきましょう。

契約するサービスを決める

NTTフレッツについては「プロバイダパック」というものがあり、これを使うと申し込み手続きはNTTないしプロバイダの1箇所で済みますが、結局、工事日程調整NTTとやることになりますし、請求も別々(まとめること「も」できる)になるし、解約時はNTTとISPそれぞれに行う必要があるので、正直あのパックのメリットはよくわかりません。


最近の、光回線卸タイプ(ISPがNTTから光回線の卸を受けて、それをエンドユーザーに販売するタイプ。従来は、NTTに申し込みを取り次ぐだけで、ISP自身が販売していたわけではなかった)については、すみませんがまだ情報が足りず言及できる状況ではありません。


ビル管理会社に問い合わせ

順番としては、あらかた契約対象のサービスが固まったところで、ビル管理会社に「フレッツ光を新たに引き込みたいが、必要な手続きありますか?」といったことを電話で問い合わせるところからスタートかと思います。



大抵、「工事予定日」を聞いてくるはずですが、このタイミングでは何も決まっていないので、「これから調整しますが、何日前にわかっていればよいですか?まずい日時はありますか?」と確認しましょう。
入居している建物によって、その伝達方法も電話1本で済むところ、所定の用紙に記入提出が必要なところがあります。


日程が何に影響するかというと、引き込み工事のために「EPS」「MDF室」をどうするか、という話になります。
これらは、ビル共用部で、電話・インターネット回線線の引き込み、および、各入居エリアへの配線のための場所で、施錠管理していることが多いです。


ビルによっては、構造区画をまたぐ際に貫通処理、貫通箇所の復元などが発生することがあります。
これが必要とビル管理会社側に言われた場合、そこから見積もり、契約が発生しますので、お金も時間も余計にかかります。
大抵この手の工事は「B工事」といわれる、「ビルオーナーないし管理会社が指定する業者による工事」として扱われ、こちらが懇意にしている安い業者が「使えません」。そして、相場より高い見積もりを吹っかけられるケースもありますが、そこはそのビルに入居している間は我慢しましょう。(多少の価格交渉はできるところもあります)


とにかく、手順と必要事項をしっかり確認しましょう。
どんな手続きが必要か、どんな工事が必要で、こちらで手配なのか、ビル側指定業者なのか。

NTTとプロバイダへの申し込み

プロバイダ側は、「NTTの線さえ繋がればいつでも使える状態」にするまであっという間です。
なので、NTTとの工事日調整次第です。


できれば、NTTの法人営業の担当者をつけてもらい、一度下見にきていただきましょう。
物件図面を用意しておくと話がスムーズに進みます。


建物に引き込んで最初にどこにつなぐか(MDF室)、入居しているエリアへどう引き込むか(EPS、建物区画)、入居スペース内の、どこに機材(ONUルーター)を設置するか。
そのあたりが、NTTとしての確認ポイントです。
その中で、「**についてはNTT側で請負えず、業者を探してください」というケースも発生します。


とにかくガチガチに発注要件を固めないと、その先に進まないスタイルですので、根気よくつめていきましょう。


で、ガチガチに要件をつめる割には、見積書が出てこないのもNTTの特徴です。


実工事で追加作業が発生することがあるので、事前に明確な金額を出すことを極端に忌避する印象があります。


おおよその費用は担当者から聞き出せますので、社内で稟議等が必要なときはその数字にバッファを持たせて予算確保しましょう。


なお、NTT工事は「平日昼間」限定です。
稼働中のオフィスへの工事の場合は、休日にやりたいことも多いですが、とにかく平日限定です。あしからず。

工事日が決まったら、再び管理会社へ

そうやって発注内容と日程が決まったら、再度ビル管理会社側に連絡をします。
その中で、工事当日のMDF室、EPSの扱い方、こちらとして何をすべきか、ビル管理会社は立ち会うのか、などを確認しておきます。


工事の当日、実際の工事作業者は、NTTから委託された事業者(協和エクシオ等)になります。
とにかくNTTからの発注内容にしたがって淡々と作業をこなしていただく感じになります。
NTTの担当者は、立ち会う場合と立ち会わないで済ませる場合があります。
立ち会ってほしい場合は、あらかじめお願いしておきましょう。

まとめ

  • 契約したいサービスを決める
  • 物理的な機材設置場所を決める。
  • 回線とISPの契約の前に、ビル管理会社に相談する
  • 工事日が決まったら、ビル管理会社に連絡する
  • 自信がなければ業者を間に入れて、調整も任せてしまう

*1:私は自分でやってしまうタイプなので、業者がどこまでやってくれるかは正確にはわかりませんが、社員になりすまして全部やってくれるところもあるようです


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